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最終更新日(本文):2011年03月20日
(2010年4月21日から)

16.ベルジャン&フレンチ・エール


3月1日暫定オープン!

16C.セゾン

アロマ:強いフルーツ風味で弱〜中程度のホップ・アロマと中〜無のハーブ、スパイス、アルコールのアロマ。フルーツのエステルがアロマを支配し、多くの場合オレンジやレモンといった柑橘系のフルーツを連想させる。通常は低〜中強のスパイシーまたはフローラルなホップ・アロマが感じられる。中程度のスパイス・アロマ(実際に加えられたスパイスやイーストが出すフェノール由来)が他の香りを補完する。フェノーリックな感じがある場合はクローブよりはペッパーといった感じになる傾向がある。低〜中の酸味が感じられる場合もあるが、他の特徴を圧倒してはならない。スパイス、ホップ、酸っぱい香りはビールの強さと共に増大することが一般的。アルコールはソフトでスパイシーかつ強さは弱く、刺激的であったりシンナーのようであってはならない。モルト風味は軽い。ダイアセチルは無し。

外観:多くは特有の薄いオレンジ色だが金色またはアンバー色のこともある。強さと色に関連はない。長く残る、緻密、岩のような白〜アイボリー色の泡で、消えるに従い“ベルジャン・レース”[と呼ばれる模様]をグラスに付けるのが特徴。透明度は低いものから良いものまであるが、このような農家で作られる無濾過ビールにおいて濁りは十分あり得る。発泡性。

フレーバー:フルーティでスパイシーなフレーバーの組み合わせでソフトなモルトの風味、低〜中くらいのアルコールとタートな酸味に支えられる。きわめて高い発酵率による特有のドライ・フィニッシュ。フルーティさはほとんどが柑橘系(オレンジやレモン風)。いくつかのスパイスを加えることで複雑になっているものもあるが、バランスを崩してはならない。スパイスを加える代わりまたはそれに加えて、イーストが出すフェノール由来の弱いペッパー風味が感じられることもある。フェノールは他の多数のベルジャン・ビアに比べて弱い傾向があり、苦味を補完する。ホップ・フレーバーは弱〜中で一般にスパイシーまたは土っぽい風味。ホップの苦味は中〜強かも知れないが、フルーティ・エステルやスパイス、モルトを圧倒してはならない。モルトの風味は軽いものの、他のフレーバーに十分な背景をもたらす。弱〜中のタートな酸味が感じられることもあるが他のフレーバーを圧倒してはならない。通常、ビールの強さとともに、スパイス、ホップの苦味とフレーバー、酸味は増大し、甘味は減少する。刺激的なアルコールやシンナーの風味は無し。高炭酸、やや硫酸塩の入った水、高い発酵率による非常にドライなフィニッシュで、長くて苦く時にはスパイシーな後味がある。IBU値が示すよりも苦く感じられることが多い。ダイアセチルは無し。

マウスフィール:ライト〜ミデアム・ボディ。アルコールの強さは中〜中高だが体がほてるような特徴は弱〜中。刺激的なアルコールまたはシンナーの風味は無し。非常高い炭酸で発泡質。非常にドライなフィニッシュとつり合うのに十分なとげとげした酸味を舌に感じる。弱〜中のタートな酸味が感じられることもあるが爽やかで、口をすぼめるようではならない。

総合印象:爽やかな、中〜強いフルーツ/スパイス的なエールで、特有の黄橙色、強い炭酸、ホップが良く利き、酸味を抑えたドライ感。

歴史:ベルギーのフランス語圏であるワロン地方で作られていた夏だけのスタイル。冷蔵が一般的になる以前に、暑い期間を乗り切る目的で涼しい季節の終わりに作られたのが始まり。数ヶ月間品質を保持するのに十分なほどしっかりと作られていなければならないが、夏に渇きをやいしたり爽やかにしたりするのに強すぎてはならない。現在では農家としての素性を生かした建物で操業する小規模の職人的なブルワリーにおいて一年を通して作られている。

コメント:強さの異なる派生種が存在する(約5%のテーブル・ビア、約6.5%の典型的なエクスポート・ビア、8%強のより強い製品)。強いもの(6.5%〜9.5%)と色の濃いもの(銅色〜暗い茶/黒色)はベルジャン・スペシャルティ・エール(16E)にエントリーすること。強さとともに甘味は減少し、スパイス、ホップ、酸味の特徴は増大する。ハーブやスパイスを添加しているものはブルワリーで入手できるその土地固有の品種を使っている場合が多い。高炭酸ときわめて高い発酵率(85-95%)は多数のフレーバーを感じさせるだけでなく、ドライなフィニッシュを増大させる効果もある。これらのビールの全ては他のベルジャン・スタイルに比べていくらか高いレベルの酸味を共有する一方、任意の酸味(サワー)フレーバーは特定のブルワリーにある家付きの特徴であることが多い。

原料:ピルスナー・モルトが麦芽原料の大半を占めるが、一部のウィーン・モルトやミュンヘン・モルトが色や複雑さに寄与する。小麦やスペルト小麦といったグレインを含むこともある。砂糖やハチミツといった副原料も加えられることもあり、複雑さを加えたりボディを薄めたりする。ホップの苦味とフレーバーは他の多くのベルジャン・スタイルに比べて顕著。ドライ・ホップされることもある。ノーブル・ホップやステリアン、イースト・ケント・ゴールディングスが良く使われる。強い製品では複雑さや独特さを出すために色々な種類のハーブやスパイスが使われることが良くあるが、イーストやホップの特性と常に十分に融合していなければならない。石膏、アシッド・モルト、サワー・マッシュ、乳酸菌などを使うことにって酸味の度合いが変化する。ワロニアのほとんどで共通の硬水が苦味とドライ・フィニッシュを引き立たせる。

諸元:OG:1.048 - 1.065, FG:1.002 - 1.012, IBUs:20 - 35, SRM:5 - 14, ABV:5 - 7%

市販例:Saison Dupont Vieille Provision*; Fantôme Saison D'Erezée - Printemps; Saison de Pipaix; Saison Regal; Saison Voisin; Lefebvre Saison 1900; Ellezelloise Saison 2000; Saison Silly; Southampton Saison; New Belgium Saison; Pizza Port SPF 45; Lost Abbey Red Barn Ale; Ommegang Hennepin [*印は日本で入手可能なもの]

2010年03月25日更新

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