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最終更新日(本文):2011年03月20日
(2010年4月21日から)

19.ストロング・エール


3月1日暫定オープン!

19A.オールド・エール

アロマ:モルト的な甘さで、フルーツ・エステルまた多くはドライ・フルーツ、ワイン、カラメル、糖蜜(モラセス)、ナッツ、トフィー、ゴールデン・シロップ、他のスペシャルティ・モルトのアロマ等の複雑な混合物を伴う。シェリーやポート・ワインにあるような、アルコールや酸化の気配は多少あっても良い。長期にわたる熟成のためホップ・アロマは通常は表れない。

外観:明るいアンバー〜非常に濃い赤褐色(大部分はかなり濃い)。熟成や酸化によってさらに濃い色になる。ほとんど不透明なこともある(そうでなければ透明)。中〜少ないクリーム〜明るいタン色の泡は、アルコールとエイジングにより悪影響を受ける。

フレーバー:中〜強いモルトの特徴で非常に風味の良いモルトの複雑さを伴い、多くはナッツ、カラメル、モラセスの様なフレーバーを伴う。軽いチョコレートもしくはローストしたモルトのフレーバーが任意にあっても良いが、顕著に出ていてはならない。バランスはモルト的な甘味であることが多いが、ホップが良く利いていることもある(苦味の印象はエイジングの期間に依存することが多い)。中〜強いフルーツ・エステルが通常で、ドライ・フルーツやワインの様な特徴を帯びていることがある。フィニッシュはドライ〜少々甘いまで様々。長期にわたる熟成は優秀な古いシェリー、ポート・ワイン、マデイラ[デザートワインの一種]等に似た、酸化フレーバーの一因となる。アルコールの強さはハッキリ出ているが、圧倒的であってはならない。ダイアセチは弱から無し。木樽熟成またはブレンドした製品は乳酸またはブレタノマイセスの特徴があっても良いが、これは任意で強すぎてはならない(もし強すぎるようならばスペシャルティ・ビアとしてエントリーすること)。

マウスフィール:ミデアム〜フル、噛みでのあるボディだが、コンディショニング中でも発酵が進むため古い製品ではボディが弱くなる。アルコールの暖かみはハッキリと出ていることが多くいつでも歓迎される。弱〜中の炭酸は、熟成やコンディショニングによる。

総合印象:かなりのアルコール強度を持つエールで、ストロング・ビターやブラウン・ポーターよりも強いが通常はバーレイ・ワインほど強力または濃厚でない。通常は甘く、モルト的なバランスに傾いている。マイケル・ジャクソン曰く「寒い冬の夜に暖炉の脇で飲むハーフ・パイントが最高に素晴らしい心暖まるビール」。

歴史:歴史的なイングリッシュ・エール・スタイルで、発酵率を下げるためにストロング・エールよりも高めの温度でマッシュし、一次発酵の後ブルワリーで熟成する(歴史的なポーターに使われるのと同様な手法)。多くは熟成に関連した特徴(乳酸的、ブレタノマイセス的、酸化、革っぽい)を有し“ステイル[新鮮でない]”ビールを連想させる。ブレンドするためのストック・エールとして使われたり十分な強さを楽しんだりする(ステイルまたはストックはかなりの年月に渡って熟成または保存されたビールを指す)。ウインター・ウォーマーはわりと新しいスタイルで、モルト感やボディ感が強く、多くは色の濃いビールで、冬季の特別醸造となることもある。

コメント:強さと特徴は広範囲にわたる。標準的な比重のビール(ストロング・ビター、ブラウン・ポーター)とバーレイワインの中間領域を埋める存在。ウインター・ウォーマー、ストロング・ダーク・マイルド、ストロング(ことによれば色の濃い)ビター、ブレンドしたストロング・ビア(マイルドやビターとブレンドしたストック・エール)、イングリッシュ・バーレイワインの比重の低いものをも含む。多くの英国製品、特にウインター・ウォーマーは6%未満。

原料:相当量の良く発芽したペール・モルト(一般的には英国産だが、それである必要は無い)、加えて適度な量のカラメル・モルトおよび他のスペシャルティ・モルト。色濃い製品を見ると色の濃いモルト(例えば、チョコレートやブラック・モルト)も適していると思われるが、[使用は]控えめにして過度のローストした特徴は避けること。デンプン質の副原料(メイズ、フレークト・バーレイ、小麦)やモルト・エキストラクト同様、副原料(モラセス、ゴールデン・シロップ、転化糖、濃い砂糖等)がしばしば使われる。相対的なバランスやエイジング過程においてホップ種の特徴のほとんどは無くなってしまうので、ホップ種はそれほど重要ではない。発酵度が低いが高アルコール度でも働くブリティッシュ・エール・イーストが伝統的。

諸元:OG:1.060 − 1.090, FG:1.015 − 1.022, IBUs:30 − 60, SRM:10 − 22, ABV:6 − 9%

市販例:Gale's Prize Old Ale*, Burton Bridge Olde Expensive, Marston Owd Roger, Greene King Olde Suffolk Ale, J.W. Lees Moonraker, Harviestoun Old Engine Oil, Fuller's Vintage Ale*, Harvey's Elizabethan Ale*, Theakston Old Peculier* (peculiar at OG 1.057), Young's Winter Warmer, Sarah Hughes Dark Ruby Mild, Samuel Smith's Winter Welcome, Fuller's 1845*, Fuller's Old Winter Ale*, Great Divide Hibernation Ale, Founders Curmudgeon, Cooperstown Pride of Milford Special Ale, Coniston Old Man Ale, Avery Old Jubilation [*印は日本で入手可能と思われるもの]

2010年04月17日更新

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HOMEBREW UPDATES from YOSEMITE

19B.イングリッシュ・バーレイワイン

アロマ:非常に濃厚で強烈なモルト感、多くはカラメルのようなアロマを伴う。中〜強力なフルーツ感があり、多くはドライ・フルーツの特徴を有する。イングリッシュ・ホップのアロマは穏やか〜強烈まで幅がある。アルコールの芳香は弱〜中だが、決してザラザラ感、刺激的、シンナーのようではない。これらの芳香の強さはたいてい熟成によりやわらぐ。アロマは濃厚な特徴を有することもあり、パン、トースト、トフィー、モラセス、ゴールデン・シロップ等を思わせる。熟成した製品はシェリーのような資質、あるいはワインまたはポート・ワインのような芳香、加えて通常はより抑えられたモルト・アロマを有する。

外観:色はあざやかな金色〜非常に濃いアンバーまたは濃い茶色に及ぶ。多くはルビー色の輝きで、不透明であってはならない。弱〜中のオフ白の泡で、持ちはあまり良くない。冷たい温度ではチル・ヘイズにより濁ることもあるが、通常は暖かくなると良〜きらめくような透明に澄む。色は深みを帯びて見えることがあり、まるで厚いレンズを通して見ているかのようである。アルコールや粘度の高いものではビールをグラスの中で回した時に“脚”が見られる。

フレーバー:強力、強烈、複雑、折り重なるモルトのフレーバーがパンやビスケット風〜ナッツ、強いトースト、濃いカラメル、トフィー、モラセス風に及ぶ。中〜強いモルトの甘い味覚だが、フィニッシュはやや甘〜ややドライ(熟成による)。酸化またはワインのようなフレーバーが現れることがあり、複雑なアルコールのフレーバーがハッキリしていることが多い。アルコールのフレーバーはザラザラ、刺激的またはシンナーのようであってはならない。中〜かなり強めのフルーツ感で、ドライ・フルーツの特徴を伴うものが多い。ホップの苦味はつり合うのにちょうど良い〜しっかりとあるまで幅があり、それゆえバランスはモルティ〜やや苦いまでに及ぶ。弱〜やや強いホップ・フレーバー(通常は英国種)。ダイアセチルは弱〜無し。

マウスフィール:フル・ボディで噛みでがあり、なめらかで、非常に風味の良い舌触りを伴う(けれども長いコンディショニングではボディが低下する)。熟成したアルコール由来のスムースな暖かみがあり、刺激的やザラザラ感があってはならない。炭酸は弱〜中で熟成とコンディショニングによる。

総合印象:イングリッシュ・エールの中で最も濃厚かつ最強。モルティな濃厚さと複雑さ、強烈なフレーバーのオンパレード。これらのエールの特徴は時間の経過とともに著しく変化するので、それが何であるのかを見極めるために、若い製品と古い製品の両方が評価されるべきである。モルトの輪郭は大きく変化するので、全製品が可能なフレーバーやアロマを全て有しているとは限らない。

歴史:多くはブルワリーによって売りに出される最も強力なエールで、近年では多くの市販品がビンテージ付けされている。普通は発売に先駆けて十分熟成がなされる。冬またはホリデー・シーズンに関連することが多い。

コメント:多くはホッピーなビールだが、イングリッシュ・バーレイワインはアメリカン・バーレイワインほどホップの特徴はないものの、イングリッシュ・ホップが目玉。イングリッシュの方がアメリカン・バーレイワインに比べてより色濃く、よりモルト的、よりフルーツ的で、より濃厚なスペシャル・モルトのフレーバーを目玉としている。

原料:良く発芽したペール・モルトが穀物原料の骨格を形成し、適度な量のカラメル・モルトを伴うこと。濃色モルトはとりわけ控えめに使用し、もし使うとしても、色の大部分は長時間の煮沸によるくらいに留めること。ノース・ダウン、ターゲット、イースト・ケント・ゴールディング、ファッグルといったイングリッシュ・ホップ。性格の強いイングリッシュ・イースト。

諸元:OG:1.080 − 1.120, FG:1.018 − 1.030, IBUs:35 − 70, SRM:8 − 22, ABV:8 − 12%

市販例:Thomas Hardy's Ale*, Burton Bridge Thomas Sykes Old Ale, J.W. Lee's Vintage Harvest Ale, Robinson's Old Tom, Fuller's Golden Pride*, AleSmith Old Numbskull*, Young's Old Nick* (アルコール7.2% ABVは珍しい), Whitbread Gold Label, Old Dominion Millenium, North Coast Old Stock Ale (熟成した場合), Weyerbacher Blithering Idiot [*印は日本で入手可能と思われるもの]

2010年04月17日更新

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アドバンストブルーイング

19C.アメリカン・バーレイワイン

アロマ:非常に濃厚で強烈なモルト感。ホップの特徴は中〜強烈で、多くは柑橘や樹脂のようなアメリカ種を示す(とは言え、フローラル、土、スパイス風のイングリッシュ種または複数種の混合と言った他品種も使われる)。弱〜やや強いフルーツ・エステルやアルコールの芳香。モルトの特徴は甘く、カラメル、パンまたはかなり中性的。しかしながら、熟成により芳香の強さがやわらぐことが多い。 ダイアセチルは無し。

外観:明るいアンバー〜普通の銅色だが、稀に明るい茶色くらい濃くなることもある。多くはルビー色の輝き。やや小〜大きなオフ白〜明るいタン色の泡で、持ちはあまり良くない。冷たい温度ではチル・ヘイズにより濁ることもあるが、通常は暖かくなると良〜きらめくような透明に澄む。色は深みを帯びて見えることがあり、まるで厚いレンズを通して見ているかのようである。アルコールや粘度の高いものではビールをグラスの中で回した時に“脚”が見られる。

フレーバー:強力、強烈なモルト・フレーバーで顕著な苦味を伴う。やや弱〜やや強いモルトの甘い味覚だが、フィニッシュはいくぶん甘〜極めてドライ(熟成による)。ホップの苦味はやや強〜強烈。強烈にモルト風な一方で、バランスは常に苦く感じられなければならない。中〜強いホップ・フレーバー(種類は問わず)。弱〜中のフルーツ・エステル。顕著なアルコール感だが、刺激的またはシンナーに似たアルコールのフレーバーは好ましくない。フレーバーは時間の経過とともに穏やかになり減少するが、どんな酸化の特徴も抑えられていること(そして一般的にはホップの特徴によって隠される)。パンまたはカラメルのようなモルトフレーバーが少々感じられることもあるが、これらは強くならないこと。ローストまたは焦げたモルトのフレーバーは不適切。ダイアセチルは無し。

マウスフィール:フル・ボディで噛みでがあり、なめらかで、非常に風味の良い舌触りを伴う(けれども長いコンディショニングではボディが低下する)。アルコールによる暖かみがあるが、過度に刺激的でないこと。シロップの様であったり発酵が未熟であってはならない。炭酸は弱〜中で、熟成やコンディショニングによる。

総合印象:最高に濃厚で強いイングリッシュ・エールにホップを良く利かせてアメリカ風にしたもの。ホップの特徴は終始してハッキリとしていなければならないが、バランスを壊す必要は無い。アルコールの強さとホップの苦味が結合して非常に長いフィニッシュを残すことが多い。

歴史:多くはブルワリーによって売りに出される最も強力なエールで、近年では多くの市販品がビンテージ付けされている。普通は発売に先駆けて十分熟成がなされる。冬またはホリデー・シーズンに関連することが多い。

コメント:バーレイワインのアメリカ版はイングリッシュ・バーレイワインに比べてホップの苦味、フレーバー、アロマにより重点を置く傾向にあり、アメリカ産ホップ種を目玉にしているものが多い。インペリアルIPAとの違いは、ホップが極端でない点、モルトがより前面に出ている点そしてボディがより濃厚でより特徴的な点である。

原料:良く発芽したペール・モルトが穀物原料の骨格を形成する。少量のスペシャルティまたはキャラクター・モルトが使われることもある。濃色モルトはとりわけ控えめに使用し、もし使うとしても、色の大部分は長時間の煮沸によるくらいに留めること。柑橘系のアメリカン・ホップが一般的だが、種類をとわず大量に使われる。一般には発酵性のアメリカン・イーストが使われる。

諸元:OG:1.080 − 1.120, FG:1.016 − 1.030, IBUs:50 − 120, SRM:10 − 19, ABV:8 − 12%

市販例:Sierra Nevada Bigfoot, Great Divide Old Ruffian, Victory Old Horizontal, Rogue Old Crustacean, Avery Hog Heaven Barleywine, Bell's Third Coast Old Ale, Anchor Old Foghorn*, Three Floyds Behemoth, Stone Old Guardian, Bridgeport Old Knucklehead, Hair of the Dog Doggie Claws*, Lagunitas Olde GnarleyWine, Smuttynose Barleywine, Flying Dog Horn Dog [*印は日本で入手可能と思われるもの]

2010年04月17日更新

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