7.アンバー・ハイブリッド・ビア
7B.カリフォルニア・コモン・ビア
アロマ:一般的にはノーザーン・ブルワー・ホップの特徴(木、さび(rustic)またはミントの様な特徴を持つ)を示し、その強さは中〜高程度。軽いフルーツさは許容される。低〜中程度のカラメルやトーストのモルト・アロマがホップを支える。ダイアセチルは無し。
外観:中間のアンバー(琥珀色)〜明るい銅色。通常は透明。中程度のオフ白で持ちの良い泡。
フレーバー:ややモルティで顕著なホップの苦味。モルトの特徴は一般には(ローストでなく)トーストのようでカラメルのようである。弱〜やや強いホップ・フレーバーで、通常はノーザン・ブルワーの性質(木、サビ、ミント)を示す。フィニッシュはまずまずドライでクリスプ、長く残るホップの苦味としっかりとした穀物的なモルト・フレーバーを伴う。軽いフルーティなエステルは許容されるが、そうでなければクリーン。ダイアセチルは無し。
マウスフィール:ミデアム・ボディ。中〜中高程度の炭酸。
総合印象:軽くフルーティーなビールでしっかりとした穀物的なモルトらしさ、興味深いトーストやカラメルのフレーバー、ノーザン・ブルワー種のホップの特徴を伴う。
歴史:アメリカ西海岸が発祥。冷蔵装置の代わりとしてサンフランシスコ湾岸周辺の涼しい気温を利用するために、大きくて浅いオープン・ファーメンター(クールシップ)が伝統的に使われていた。発酵にはラガー・イーストが使われるが、これは一般的なエールの発酵温度の低温限界で繁殖するよう選ばれたものである。
コメント:このスタイルはアンカー・スチームを手本として狭義に定義されている。見かけ上はアメリカン・ペール・エールまたはアメリカン・アンバーエールに似ているが、ホップ・フレーバーが柑橘的ではなく木/ミント的である点、モルト・フレーバーがトーストやカラメルっぽい点、ホップが常に強く利いている点、室温で発酵させたイーストを使う点に違いがある。
原料:ペール・エール・モルト、アメリカン・ホップ(通常は柑橘系のホップでなくノーザン・ブルワー)、少量のトーステッド・モルトやクリスタル・モルト。ラガー・イーストが使われるが、暖かい温度(55〜60℉[12.8〜15.6℃])で他よりも良く発酵する種(多くの場合「カリフォルニア」の名前で呼ばれる)もある。ドイツ・イースト種の中には[このスタイルに]ふさわしくないサルファリーな特徴を生成する種があることに注意。水は相対的に低い硫酸塩かつ低〜中程度の炭酸塩を含む。
諸元:OG:1.048 - 1.054, FG:1.011 - 1.014, IBUs:30 - 45, SRM:10 - 14, ABV:4.5 - 5.5%
市販例:Anchor Steam*, Southampton Steem Beer, Flying Dog Old Scratch Amber Lager [*印は日本で入手可能なもの]
2010年03月16日更新
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