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最終更新日(本文):2011年03月20日
(2010年4月21日から)

23.スペシャルティ・ビア


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23.スペシャルティ・ビア

これは現存するスタイルのカテゴリーに合致しないどんなビールでも受け入れるカテゴリーである。このカテゴリでは他のカテゴリーのどれかに合致しない限り“スタイル外れ”となるビールは無い。

このカテゴリーは以下の手法または原材料を含むあらゆるビールを想定している。

このカテゴリは現在BJCPのカテゴリーには無い、あらゆるマイナーな世界のビール(ベルジャン以外)の“インキュベーター[避難所]”としても使われる。もし将来的に取るに足ると判断された場合は、これらのマイナーなスタイルのどれかは完全なスタイルに昇格するかも知れない。これに分類されるスタイルは以下のようなのがある。

すでに確立した別のスペシャルティ・カテゴリーがガイドライン内には存在している注意すること。ベルジャン・スペシャルティまたは特定のベルジャン・ビアのコピーはカテゴリー16Eにエントリーすること。クリスマス・タイプのビールはカテゴリー21B(ベルジャン・クリスマス・タイプの場合は16E)にエントリーすること。単一のフルーツやスパイス、ハーブ、野菜、燻製からなるビールはカテゴリー20-22にエントリーすること。スペシャルティ・ミードまたはサイダーはそれぞれのカテゴリー(ミードは26C、サイダーは28D)にエントリーすること。

アロマ:申告した特別の原料またはその特殊性がはっきりとアロマに表れていなければならないが、その他の成分と調和している必要がある(完全に他を凌駕していてはならない)。特別なビールのタイプとしてふさわしいように、全体として、アロマはモルトとホップ、主役となる特別の原料またはその特殊性と心地よい組み合わせになっていなければならない。特別な原料や手法を組み合わせた場合にはそれぞれが有する特有の性質は必ずしも特定できるとは限らない。下地となるビールの伝統的なスタイルが明記されている場合、その伝統的なスタイルの特徴が顕著に表れていなければならない。しかしながら、変わった原料や添加物、変わった手法で作られた場合、伝統的なスタイルは違った印象を持つ可能性があることに注意。特別の原料またはその特殊性がよりはっきりするよう、伝統的なビア・スタイルの典型的なアロマ成分(特にホップ)は意図的に和らげられることもある。

外観:外観は下地となるビールに相応していなければならず、下地となるビールによって変わる(下地となるビールが宣言されている場合)。変わった原料や手法が外観に影響する場合があるので、結果は宣言した下地となるスタイルとは全く違う場合があることに注意。色(泡の色も含む)を付ける原料や、その結果として泡の形成や持ちに影響を及ぼす原料もある。

フレーバー:アロマと同じように、明示した特殊性に関連した独特なフレーバーが顕著に表れていなければならず、その強さは微妙〜強烈まで幅がある。特別の原料またはその特殊性は下地となるビールと調和したものでなければならず、その特別な性質が人為的であったり全体として他を凌駕するようであってはならない。ホップの苦味、フレーバー、モルトのフレーバー、アルコール含有量、エステルやダイアセチルと言った発酵による生成物は(下地となるビールが宣言されている場合)下地となるビールにふさわしく、独特の特殊なフレーバーと良く統合されていなければならない。酸味(タート)や甘味、他のフレーバー生成物を付加する原料もある。フルーツや糖の副原料は一般的にフレーバーと甘すぎない甘さをビールに付加することを覚えておくこと。フルーツに見られる糖はもちろん、砂糖のような副原料は多くの場合完全に発酵し、下地として明示したスタイルに期待されているよりも軽いフレーバーやドライなフィニッシュとなる。特別な原料や手法を組み合わせた場合にはそれぞれが有する独特の性質は必ずしも識別できなくても良い。下地となるビールとして伝統的なスタイルが明記されている場合、その伝統的なスタイルの特徴が顕著に表れていなければならない。しかしながら、変わった原料や添加物、変わった手法を用いて作られた場合、伝統的なスタイルは異なる印象を持つ可能性があることに注意。最後まで特殊な性質が持続するように、これらの成分(特にホップ)は意図的に抑えられることもある。

マウスフィール:マウスフィールは選んだ下地となるビールによって異なり、(もし宣言されているなら)その下地となるビールにふさわしくなければならない。ボディや炭酸強度も下地となるビア・スタイルに相応していなければならない。珍しい材料や手法がマウスフィールに影響を及ぼすこともあるので、下地として明記したビア・スタイルとは全く違った結果となることもある。

総合印象:原料、手法、ビールが調和して一体となったもの。特別な原料や手法が加わっているため(明記されている場合には)下地となるスタイルの基本的な性質は変化するので、下地となるビールにそのスタイル本来の味を期待してはならない。心地よさと出来上がりのハーモニーに基づいてビールを審査すること。手法、使われた材料、創造性などの全体的な独自性は考慮されるべきである。ビールの全体的な評価はその特殊性や飲みやすさを査定する個々の主観次第である。

下地となるスタイル: 下地となっているビア・スタイルをブルワーが明示することがある。 下地となるスタイルは伝統的なスタイル(すなわち、これらのスタイル・ガイドラインによって分類されたサブカテゴリー)またはより広義のスタイル(例えば「ポーター」や「ブラウン・エール」と言ったもの)の場合がある。もし下地となるスタイルが宣言された場合、そのスタイルが見て分からなければならない。特別な材料や手法が下地となるスタイルを如何に良く補完し、高め、調和しているかでビールを審査すること。

コメント:全体的な調和と飲みやすさが良くできたスペシャルティ・ビアを表す鍵である。明言された特別な材料/手法の独特な性質は下地となるスタイル(明言されている場合)を全体として飲み込んでしまうのではなく補完するような存在でなければならない。醸造する側は下地となるビア・スタイルと材料または手法の組み合わせによって良いものと口に合う組み合わせにはならないものがあることを理解しておくことが必要である。 ブルワーはビールの「実験的な試みの種類」(例えば、使った特殊な材料の種類、利用した手法、醸造した歴史的なスタイル)またはすでに確立されているスタイルに当てはまらない理由を明記すること。 歴史的なスタイルや特殊な材料/手法については全てのビア・ジャッジが知っているとは限らないので、ブルワーはそのスタイルや材料、手法についてジャッジの参考となる説明を付け加えること。

諸元:OG、FG、IBU、SRM、ABVは下地となるビールによって異なる。

市販例:Bell's Rye Stout, Bell's Eccentric Ale, Samuel Adams Triple Bock and Utopias*, Hair of the Dog Adam*, Great Alba Scots Pine, Tommyknocker Maple Nut Brown Ale, Great Divide Bee Sting Honey Ale, Stoudt's Honey Double Mai Bock, Rogue Dad's Little Helper, Rogue Honey Cream Ale, Dogfish Head India Brown Ale, Zum Uerige Sticke and Doppel Sticke Altbier, Yards Brewing Company General Washington Tavern Porter, Rauchenfels Steinbier, Odells 90 Shilling Ale, Bear Republic Red Rocket Ale, Stone Arrogant Bastard* [*印は日本で入手可能なもの]

2010年03月25日更新

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