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最終更新日(本文):2011年03月20日
(2010年4月21日から)

15.ジャーマン・ウィート&ライ・ビア


アドバンストブルーイング

15C.ヴァイツェンボック

アロマ:濃厚、ボックの様なメラノイジンとダーク・フルーツ(プラム、プルーン、レーズン、ブドウ)の強力なアロマを兼ね備えたパンのようなモルト。中〜強いフェノール(最も一般的なのはバニラやクローブ)が複雑を加え、ある種のバナナ・エステルが表れていることもある。アルコールの適度なアロマは一般的だが決してシンナーっぽくてはならない。ホップ・アロマ、ダイアセチ、DMSは無し。

外観:暗いアンバー色〜暗いルビーの様な茶色。非常に厚く、ムースのような長く残る薄いタン色の泡が特徴的。この伝統的な無濾過スタイルにおいてはタンパク質が多く含まれている小麦の影響で透明度が低いが、濁り度合いは多少変わる。活動を停止したイースト沈殿物(これは飲む前にかき混ぜられる)もまた曇りの一因となる。

フレーバー:濃厚、ボックの様なメラノイジン、ダーク・フルーツ、スパイシーなクローブの様なフェノール、軽いバナナやバニラ、適度な小麦のフレーバー等が複雑に絡み合っている。ミュンヘン・モルトやウィーン・モルトを大量に使うことによって小麦のモルティでパンのようなフレーバーがさらに高められる。わずかに甘い味覚がある場合があり、軽いチョコレートの風味が感じられることも時々ある(けれどもロースト風味は不適切)。ほのかに酸っぱい風味があっても良い。ホップ・フレーバーは無く、ホップの苦味は弱い。小麦、モルト、イーストの特徴が味覚の大部分を占め、アルコールがフィニッシュでのバランスの助けとなる。良く熟成された製品は複雑さの特徴として、シェリーの様な酸化がある。ダイアセチやDMSは無し。

マウスフィール:ミミデアム・フル〜フルのボディ。高いアルコール分による温まるような感じがありながら、クリーミー感が特徴的。ミュンヘン・モルトやウィーン・モルトがあることにより、また違った濃厚さやふくよかさがある。中〜高炭酸。刺激的であったりシンナーっぽくてはならない。

総合印象:強力でモルティ、フルーティな小麦を主としたエールで、デュンケルヴァイツェンのフレーバーとボックの濃厚な強さとボディを最大に兼ね備える。

歴史:1907年にミュンヘンのWeisse Brauhausにおいて、世界最古の上面発酵小麦ドッペルボックであるAventinusが、底に溜まった新鮮なイーストの澱を使った「シャンペン製法」を用いて作られた。これは同時代に強力な支持者を獲得した下面発酵のドッペルボックに対するSchneiderの独創的な答えであった。

コメント:ボックまたはドッペルボックの強さまで高めて作られたデュンケル・ヴァイツェン。今では特別ビールとしてアイスボック・スタイルでも作られる。瓶詰めしたものは注ぐ前にイーストを混ぜるために軽く転がしたりぐるぐるかき混ぜたりする。

原料:高い配分のモルト化した小麦が使われ(ドイツの法律に基づくと少なくとも50%だが、70%にまで高めることもある)、残りはミュンヘンやウィーン・タイプの大麦モルトである。伝統的なデコクション・マッシュを採用することでくどい甘さを出すことなく適度なボディを持たせることができる。ヴァイツェン・エール・イーストが独特のスパイシーでフルーティな風味を作り出す。高すぎたり低すぎたりする発酵温度はバランスを欠くフェノールやエステルの原因となり、オフ・フレーバを産むこともある。少量のノーブルホップが苦味にだけに使われる。

諸元:OG:1.064 - 1.090, FG:1.015 - 1.022, IBUs:15 - 30, SRM:12 - 25, ABV:6.5 - 8.0%

市販例:Schneider Aventinus*, Schneider Aventinus Eisbock*, Plank Bavarian Dunkler Weizenbock, Plank Bavarian Heller Weizenbock, AleSmith Weizenbock, Erdinger Pikantus*, Mahr's Der Weisse Bock, Victory Moonglow Weizenbock, High Point Ramstein Winter Wheat, Capital Weizen Doppelbock, Eisenbahn Vigorosa [*印は日本で入手可能なもの]

2010年03月11日更新

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