12.ポーター
12A.ブラウン・ポーター
アロマ:マイルドなロースティさを伴ったモルト・アロマが顕著で、チョコレートの風味がすることもある。ローストしていないモルトの特徴(カラメル、穀物、パン、ナッツ、トッフィー、甘い等と言った)を下地に有することもある。英国産ホップのアロマは中〜無し。フルーツ・エステルも中〜無し。ダイアセチルは弱〜無し。
外観:明るい茶色〜濃い茶色で、たいていは光にかざすとルビー色に輝く。透明度は良好だが、不透明に近いこともある。オフ白〜明るいタン色をした中程度の泡で、泡持ちは良〜まずまず。
フレーバー:モルト・フレーバーが軽〜中程度のロースティさ(チョコレートの特徴を伴うことが多い)と多くは著しいカラメル、ナッツ、トッフィー等の特徴を含む。コーヒー、リコリス[甘草]、ビスケット、トーストと言った別の副次的なフレーバーが下地に表れていることもある。ブラック・モルトの特徴(酸味、焦げ、ざらざらしたロースのフレーバー)は顕著に表れていてはならないが、少なければビター・チョコレートの複雑さに寄与する。英国産ホップのフレーバーは中〜無し。中弱〜中のホップの苦味によってバランスがわずかにモルティ〜わずかに苦いの範囲で変化する。通常はかなり良く発酵しているが、わずかに甘い製品も存在する。ダイアセチルはやや弱〜無し。中〜弱いフルーツ・エステル。
マウスフィール:ミデアム・ライト〜ミデアムなボディ。中程度よりやや弱め〜やや強めのカーボネーション。
総合印象:かなりしっかりとしたイングリッシュ・ダーク・エールで、ロースティな特徴は控えめ。
歴史:英国発祥でポーターは“エンタイア”として知られる複数のビールまたはガイル(発酵麦汁)を混合した飲み物から発展した。スタウトの前身。荷物運びに従事している人[ポーター]やそれ以外の肉体労働者に好まれたと言われている。
コメント:ロブスト・ポーターとの違いは、通常はよりソフト、甘くてカラメルのフレーバーを持ち、低比重で、一般的には低いアルコールを持つ点である。ブラウン・エールよりは中身が濃くやロースト感が強い。ダーク・マイルドより高い比重。ラガー・イーストを使って発酵される製品もある。ホップよりはモルトに傾いたバランス。一般的に“イングリッシュ”的な特徴を有する。ブレタノマイセス、酸味、スモーキーさを伴った歴史上のポーターはスペシャルティ・ビア・カテゴリー(23)にエントリーすること。
原料:英国産原料が最も一般的。チョコレートおよび他のダーク・ロースト・モルト、カラメル・タイプのモルトを含んだいくつかのモルトが成分。歴史上のポーターはブラウン・モルトをかなり使ったものらしい。通常はブラック・パテント・モルトまたはロースト麦は大量に入っていない。英国産ホップが最も一般的だが、通常は弱い。ロンドンまたはダブリンタイプ(中程度の炭酸塩を含む硬度)の水が伝統。イングリッシュまたはアイリッシュ・エール・イースト、もしくは時折ラガー・イーストが使われる。(砂糖、トウモロコシ、糖蜜等)の副原料をわずかに含むこともある。
諸元:OG:1.040 - 1.052, FG:1.008 - 1.014, IBUs:18 - 35, SRM:20 - 30, ABV:4 - 5.4%
市販例:Fuller's London Porter, Samuel Smith Taddy Porter, Burton Bridge Burton Porter, RCH Old Slug Porter, Nethergate Old Growler Porter, Hambleton Nightmare Porter, Harvey's Tom Paine Original Old Porter, Salopian Entire Butt English Porter, St. Peters Old-Style Porter, Shepherd Neame Original Porter, Flag Porter, Wasatch Polygamy Porter
2010年03月08日更新
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