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最終更新日(本文):2011年03月20日
(2010年4月21日から)

14.インディア・ペール・エール


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14A.イングリッシュIPA

アロマ:花のような、土っぽい、フルーティと言った性質の中〜やや強いホップアロマだが、アメリカン・タイプに比べるとホップ風味は通常弱い。わずかに草のような(grassy)ドライ・ホップのアロマはあって良いが、必須ではない。適度なカラメルまたはトーストの様なモルト感があるのが普通。エステルまたはホップ由来の弱〜中程度のフルーティさが感じられることもある。サルファリーな特徴を有する製品もあるが、この特徴は必須でない。

外観:色の範囲はゴールデン・アンバー色〜薄い銅色だが、ほとんどは薄〜中くらいのアンバー色でオレンジ色がかっている。透明でなければならないが、無濾過でドライホップした製品は少々濁りがある。泡立ちが良くオフ白の泡が持続する。

フレーバー:ホップ・フレーバーは中〜高で、中〜強いホップの苦味を伴う。ホップ・フレーバーはアロマと同様(花、土、フルーツ、わずかに草っぽい)でなければならない。モルト・フレーバーは中弱〜中強だが、顕著で心地よくホップの特徴を支えなければならない。モルトは英国風で、少々パンやビスケット、トースト、トフィー、カラメルの様でなければならない。相当なホップ風味にもかかわらず、十分なモルト・フレーバーやボディおよび複雑さがホップを支え、最高のバランスとなる。非常に弱いレベルのダイアセチルは許容され、発酵またはホップ由来のフルーティさが全体を複雑にする。フィニッシュは中〜ドライ、苦味は後味にも残るがザラザラしてはならない。高硫酸塩を含んだ水を使った場合、際立って鉱物的、ドライなフィニッシュ、硫黄っぽいフレーバー、長く残る苦味が良く表れる。アルコールの強い製品ではある種のクリーンなアルコール・フレーバーが感じられることがある。オークはこのスタイルでは不適切。

マウスフィール:スムース、ミデアム・ライト〜ミデアム・ボディのマウスフィールでホップ由来の収斂味はないが、中〜中高レベルの炭酸と相まってモルトの甘味はあるものの、全体的にドライな感じとなる。スムースなアルコールによる温まり感が(全てでは無いが)強い製品には感じられる。

総合印象:ホッピーでやや強いペール・エールで、英国産のモルト、ホップ、イーストを使用し、その特徴が良く出ている。アメリカン・ペール・エールに比べるとホップが弱く、モルト・フレーバーが強い。

歴史:英国からインドまでの航海にも耐えるように作られた。極端な温度と海での揺れによって到着するまでに高発酵のビールになった。イングリッシュ・ペール・エールはインディア・ペール・エールが起源。

コメント:比重とホップの割合を増やして作られたペール・エール。最近のイングリッシュIPAはオリジナルに比べて一般的にペールである(単なる語呂合わせ)。“IPA”という語は最近では市販の英国ビールではいい加減に使われており、アルコールが容量比4%よりも低いビールにも(不正確に)使われてきた。一般的にはイングリッシュ・ペール・エールやビターに比べてフィニッシュ・ホップが強め、フルーティさやカラメルが弱めである。作りたての製品はフィニッシュ・ホップの特徴がより良く出ているのが明らか。

原料:ペール・エール・モルト(良く発芽した、シングル・インフュージョン・マッシングに適したもの)、英国産ホップ、フルーティまたは硫黄/鉱物っぽい特徴を付加する英国イースト。精製糖が使われる製品もある。オリジナルであるバートンの製品に見られるような心地よいホップの苦味を達成するためには硫酸塩含有量が高く炭酸塩含有量が低い水が非常に重要だが、全ての製品が強い硫酸塩の特徴を示すわけではない。

諸元:OG:1.050 - 1.075, FG:1.010 - 1.018, IBUs:40 - 60, SRM:8 - 14, ABV:5 - 7.5%

市販例:Meantime India Pale Ale, Freeminer Trafalgar IPA, Fuller's IPA, Ridgeway Bad Elf, Summit India Pale Ale, Samuel Smith's India Ale, Hampshire Pride of Romsey IPA, Burton Bridge Empire IPA, Middle Ages ImPailed Ale, Goose Island IPA, Brooklyn East India Pale Ale

2010年03月08日更新

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アドバンストブルーイング

14B.アメリカンIPA

アロマ:顕著〜強烈なホップ・アロマで、アメリカ産ホップから引き出された柑橘、花、香水、樹脂、松、フルーツと言った特徴が感じられる。多くの製品でドライ・ホップがなされ付加的な草っぽいアロマを持つが、これは必須ではない。奥にはクリーンなモルトの甘味があるが、イングリッシュIPAに比べて弱いレベルでなければならない。エステルまたはホップ由来のフルーティさが感じられる場合もあるが、際だった特徴のない中性的な発酵も許容される。多少のアルコール分も感知され得る。

外観:色の範囲は中くらいの金色〜中くらいの赤茶けた銅色だが、オレンジじみた色合いをしている製品もある。透明でなければならないが、無濾過でドライ・ホップした製品は少々曇った感じがする。泡立ちが良くオフ白〜オフ白の泡が持続する。

フレーバー:ホップ・フレーバーは中〜強で、柑橘、花、樹脂、フルーツと言ったアメリカン・ホップの特徴を反映していなければならない。中高〜非常に強いホップの苦味だが、モルトの骨格が強いホップ風味を支え、最良のバランスをもたらす。モルト・フレーバーは弱〜中で通常クリーンでモルティな甘味だが、カラメルまたはトーストのフレーバーが弱いレベルならあっても良い。ダイアセチルは無し。弱いフルーティさはあっても良いが必須ではない。苦味は後味まで残るがざらついてはならない。ミデアム・ドライ〜ドライのフィニッシュ。強い製品ではクリーンなアルコールのフレーバーが感知されることもある。このスタイルではオークは不適切。わずかに硫黄っぽいこともあるが、ほとんどの場合この特徴は無い。

マウスフィール:スムース、ミデアム・ライト〜ミデアム・ボディのマウスフィールでホップ由来の収斂味はないが、中〜中高レベルの炭酸と相まってモルトの甘味はあるものの、全体的にドライな感じとなる。スムースなアルコールによる温まり感が(全てでは無いが)強い製品には感じられる。普通ボディはイングリッシュIPAに比べて弱い。

総合印象:決定的にホッピーで苦い、やや強いアメリカン・ペール・エール。

歴史:歴史的に有名なイングリッシュ・スタイルのアメリカ版で、アメリカの原料と精神で造られた。

原料:ペール・エール・モルト(発芽率が高くシングル・インフュージョン・マッシングに適したもの)、アメリカン・ホップ、クリーンまたはわずかにフルーティな特徴を示すアメリカン・イースト。一般的にはオール・モルトだが高発酵にするために低めの温度で糖化される。水質はソフト〜中程度の硫酸塩までさまざま。ライの特徴が顕著な製品(“ライPA”)はスペシャルティ・カテゴリにエントリーすること。

諸元:OG:1.056 - 1.075, FG:1.010 - 1.018, IBUs:40 - 70, SRM:6 - 15, ABV:5.5 - 7.5%

市販例:Bell's Two-Hearted Ale, AleSmith IPA*, Russian River Blind Pig IPA, Stone IPA*, Three Floyds Alpha King, Great Divide Titan IPA, Bear Republic Racer 5 IPA*, Victory Hop Devil*, Sierra Nevada Celebration Ale, Anderson Valley Hop Ottin', Dogfish Head 60 Minute IPA*, Founder's Centennial IPA, Anchor Liberty Ale*, Harpoon IPA, Avery IPA [*印は日本で入手可能なもの]

2010年03月08日更新

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14C.インペリアルIPA

アロマ:顕著〜強烈なアメリカ種、イギリス種、ノーブル種などを由来とするホップ・アロマ(とは言え柑橘的なホップ風味がほとんど常にある)。ほとんどの製品はドライ・ホップされ、それにる樹脂や草っぽいアロマを有するが、このアロマは絶対に必須ではない。下地にはクリーンでモルティな甘味がある。エステルまたはホップ由来のフルーティさを有する製品もあるが、際だった特徴のない中性的な発酵が典型。一般にはアルコールが感知されるが“ホット”[強い刺激]な感じであってはならない。

外観:色は金色がかったアンバー〜中位の赤茶けた銅色だが、オレンジじみた色合いをしている製品もある。透明でなければならないが、無濾過でドライ・ホップした製品は少々曇った感じがする。泡立ちが良くオフ白〜オフ白の泡が持続する。

フレーバー:ホップ・フレーバーは強く複雑でアメリカ種、イギリス種、ノーブル種などの使用されたホップ種が反映されている。高〜信じられないくらい強いホップの苦味だが、一般的にモルトの骨格が強いホップ風味を支え、最良のバランスをもたらす。モルト・フレーバーは弱〜中で通常クリーンでモルティだが、カラメルまたはトーストのフレーバーが弱いレベルならあっても良い。ダイアセチルは無し。弱いフルーティさはあっても良いが必須ではない。後味に長く残る苦味が一般的だが、ザラザラした感じがあってはならない。ミデアム・ドライ〜ドライのフィニッシュ。クリーン、スムースなアルコール・フレーバーが通常は表れている。このスタイルではオークは不適切。わずかに硫黄っぽいこともあるが、ほとんどの場合この特徴は無い。

マウスフィール:スムース、ミデアム・ライト〜ミデアムなボディ。ザラザラしたホップから出る収斂味はないが、中〜中高レベルの炭酸と相まってモルトの甘味はあるものの、全体的にドライな感じとなる。スムースなアルコールの暖かみ。

総合印象:強烈にホッピーで、アメリカン・バーレイ・ワインにあるような強いモルティさや深いモルト・フレーバーはない非常に強いペール・エール。強くホップが添加されているもののクリーンでザラザラしてなく、歴史上のIPA[の存在]を示す証拠。飲みやすさは重要な特徴で、重くちびりちびりと飲むようなビールではない。残留の甘さが多かったり重い感じの穀物的な特徴があったりするのも不可。

歴史:アメリカのクラフト・ブルワーの流行を反映した最近のアメリカにおける新しいビール。“限界に挑め”を合言葉により強烈な商品をというホップ大好き人間の要求を満足させるために造られた。“インペリアル”という形容詞はテキトーで単にIPAの強力なものという意味でしかない。“ダブル”、“エクストラ”、“エクストリーム”などの他の形容詞も意味は同じ。

コメント:イングリッシュIPAまたはアメリカンIPAをアルコール強度と全体的なホップ強度(ビタリングとフィニッシュ)の両方で上回る。アメリカン・バーレイ・ワインと比べるとモルト感、ボディ、濃厚さは弱めだが全体的なホップ強度では上回る。高アルコールや高モルト比率は飲みやすさを制限する傾向にあるため、一般的には比重/アルコールにおいてはバーレイ・ワインほど強くはない。

原料:ペール・エール・モルト(発芽率が高くシングル・インフュージョン・マッシングに適したもの)、複数種のホップ(イングリッシュ、アメリカン、ノーブル)。クリーンまたはわずかにフルーティな特徴を示すアメリカン・イースト。一般的にはオール・モルトだが高発酵にするために低めの温度で糖化される。水質はソフト〜中程度の硫酸塩までさまざま。

諸元:OG:1.070 - 1.090, FG:1.010 - 1.020, IBUs:60 - 120, SRM:8 - 15, ABV:7.5 - 10%

市販例:Russian River Pliny the Elder, Three Floyd's Dreadnaught, Avery Majaraja, Bell's Hop Slam, Stone Ruination IPA*, Great Divide Hercules Double IPA, Surly Furious, Rogue I2PA, Moylan's Hopsickle Imperial India Pale Ale, Stoudt's Double IPA, Dogfish Head 90-minute IPA*, Victory Hop Wallop [*印は日本で入手可能なもの]

2010年03月11日更新

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