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最終更新日(本文):2011年03月20日
(2010年4月21日から)

18.ベルジャン・ストロング・エール


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18B.ベルジャン・デュベル

アロマ:複雑で濃厚なモルトの甘味で、モルトはチョコレートやカラメル、トースト(ローストや焦げたアロマではない)を思わせることもある。中程度のフルーツ・エステル(通常レーズンやプラム、時にドライ・チェリー)。エステルにはバナナやリンゴが感じられることも時々ある。スパイス的なフェノールと高アルコールが普通(軽いクローブ、スパイス、胡椒、バラまたは香水のような香りを含むこともある)。スパイシーな資質は中〜非常に弱い。アルコールがあったとしてもソフトであり、刺激的であったりシンナーのようであってはならない。弱いノーブル・ホップのアロマがある製品も少数存在するが、通常ホップは無し。ダイアセチルは無し。

外観:色は濃いアンバー〜銅色で、魅力的な赤みがかった色の深みを伴う。一般に透明。大きく、緻密で長く残るクリーミーなオフ白の泡。

フレーバー:アロマと同様な資質。濃厚で、複雑な中〜中強のモルトの甘い味覚だが、フィニッシュはややドライ。複雑なモルト、エステル、アルコール、フェノールが互いに影響し合う(レーズンのフレーバーはよくあり、ドライ・フルーツのフレーバーは歓迎され、クローブに似たスパイス感はあっても良い)。バランスは常にモルトに傾いている。中弱の苦味でフィニッシュまでは残らない。弱いノーブル・ホップのフレーバーはあっても良いが、常にあるわけではない。ダイアセチルは無し。ボックの様なモルト感、クリスタル・モルト・タイプの甘味もあってはならない。スパイスは無し。

マウスフィール:ミデアム・フルのボディ。ボディの認識に影響する中強の炭酸。弱いアルコールの暖かみ。スムースであり、刺激的であったりシンナーの様であってはならない。

総合印象:深く赤みがかった、やや強い、モルト的で、複雑なベルジャン・エール。

歴史:中世の修道院が起源で、ナポレオン後の1800年代半ばによみがえった。

コメント:ほとんどの市販品はアルコール度6.5-7% ABVの範囲にある。伝統的にボトル・コンディション(“瓶内二次発酵”)。

原料:高アルコール、エステル、フェノールを作り出しやすいベルジャン・イースト種が通常は用いられる。水は軟水でも硬水でも良い。複雑な穀物組成の印象だが、伝統的な製品では典型的にベルジャン・ピルス・モルトにカラメル化した砂糖シロップまたは精製されていない砂糖と一緒に使われ、色々な特徴を付ける。ホームブルワーはベルジャン・ピルスまたは淡色のベース・モルトを使い、モルト感を出すためにミュンヘン・タイプのモルトを、レーズンのフレーバーを出すためにスペシャルBを、ドライ・フルーツ・フレーバーを出すためにカラヴィエナまたはカラミュンヘンを、特徴を出すために他のスペシャル・グレイン使うこともある。濃くカラメル化された砂糖シロップや砂糖は色およびラムレーズン・フレーバーを付けるために使われる。ノーブル・タイプ、英国タイプ、スティリアン・ゴールディングス・ホップが通常は使われる。伝統的にスパイスは使われないが、控え目に使うのは差し支えない。

諸元:OG:1.062 - 1.075, FG:1.008 - 1.018, IBUs:15 - 25, SRM:10 - 17, ABV:6 - 7.6%

市販例:Westmalle Dubbel*, St. Bernardus Pater 6*, La Trappe Dubbel*, Corsendonk Abbey Brown Ale, Grimbergen Double*, Affligem Dubbel*, Chimay Premiere (Red)*, Pater Lieven Bruin*, Duinen Dubbel*, St. Feuillien Brune*, New Belgium Abbey Belgian Style Ale, Stoudts Abbey Double Ale, Russian River Benediction, Flying Fish Dubbel, Lost Abbey Lost and Found Abbey Ale, Allagash Double [*印は日本で入手可能と思われるもの]

2010年04月17日更新

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